『過去の仕事 コンビニ編54』コンビニバイトの実態 若干ダメなコンビニバイトの人達3
過去にウチの店に居た残念な店員を紹介するコーナー。
今回は朝勤の人を紹介します。
残念と言うか、なんと言うか現在社会の被害者みたいな人でしたね、
45歳 妻子持ちで会社をクビになった朝勤のおっちゃん
このおっちゃんは僕が入社した時からお店で働いていました。
もともとメーカーの技術職で働いていたそうなのですが、退職して現在はコンビニバイトをしています。
週5回、朝の6-9時で入ってくれて、朝勤は元々バイトの数が少なかった為、社員の僕としては非常に助かってました。
仕事も真面目だし、雑談も面白いしコミュ障ではありません。
むしろ、若い子に色々人生について教えてくれる良い大人って感じ。
僕は夜勤明けで発注入れてると9時くらいまで店に居たりするので、良く飯に一緒に行ってました。
高校生の娘さんが居ると聞いてましたので、コンビニバイトで生活成り立つのかな?
と気になっていましたが、そこまで詮索すべきでもないのであまり考えないようにしていました。
そんなおっちゃんと飲みに誘われました。
僕は次の日休みだったので喜んで行きます!と答え、その日の夜に飲みに行きました。
お酒の席だったので、普段聞けない事を色々聞けました。
おっちゃんは技術系の専門学校を出て、機械メーカーに就職したそうです。
そのメーカーは激務だけど給料が良かった事、あと何より仕事が楽しかったので頑張れたそうです。
順調に給料も上がり、結婚もして子どもも出来た。
そのあと、おっちゃんは部門の責任者になったそうです。
年収も上がり600万くらい貰っていたらしい。
ただ責任者になった途端、もともと激務だったのが更にエグい状態に。
納期に間に合う、間に合わないというのが全部責任者のおっちゃんに掛かっている為、納期に間に合わす為、会社に泊まり込んで仕事、仕事、仕事。
焦りから来るストレスも凄かったらしいです。
家にも帰らずに毎日20時間とか働いていたとか。
コンビニ社員もビックリです。
そしておっちゃんは倒れました。
1週間入院してる間に、責任感の強いおっちゃんは重度のうつ病も発覚しました。
退院して、会社に行こうと思ったら家を出れなかったそうです。
責任者が1週間仕事放り出して、会社に行ったらなんて言われるのか。
そういう事を考えたら会社に行けなかったそうです。
そのまま10日間くらい会社に行けず、会社からの電話も怖くて出れない、という状態が続いた、と。
会社的には無断欠勤ですので問題になり、当時はうつ病に対する理解も無かった為、おっちゃんは解雇。
更に無収入でうつ病患者の面倒は見れない、と嫁に言われ、離婚。
退職金と失業保険で1年くらい安いアパートを借りて、ぼーっとしてたとの事。
1年経ってそろそろ働かないと、と思っても普通の仕事はまだ怖くて出来ない。
だからコンビニバイトで働いている、という事でした。
なんかやるせなくなりました。
コンビニ社員も同じような目にあってる人を知ってたし、他人事じゃないと思いました。
ただ、最後にオチがあります。
このおっちゃん、ある日突然バックれました。
本当に突然。
前の日も普通に朝勤して、普通に挨拶してある日突然来なくなりました。
携帯は解約されて繋がりませんでした。
今までの話は全部嘘だったかも知れないし、何か事情があったのかも知れない。
とにかく、突然いなくなりそれきりです。
本当に中高年コンビニバイトは闇深いです。
でもどこかで働いていてくれたらいいなとは思ってます。