元コンビニ社員のパチスロとか前の仕事の話とかダイエットの話とか

借金、無職、転職を通して色々と崖っぷちな男の日々をゆる〜く語る 過去の仕事(コンビニ正社員とか日雇い派遣とか)の体験談も

「ちょっと今から仕事やめてくる」を観てきた感想 ※ネタバレあり

昨日の夜に「ちょっと今から仕事やめてくる」を観てきました。

最近、コンビニの話ばかりだったので今回はその話をしようと思います。

大手コンビニチェーン、不動産と言ったブラック企業で働いていた僕にとっては凄く感慨深いものがありました。

一言で言うとオススメです!

ただ、学生には良さが分からないかも・・・

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 ブラック企業で働く若者が人生について考える話

登場人物(ざっくり)

青山隆(工藤阿須加)

主人公?

映画の紹介とかだと福士蒼汰が主人公として扱われてるけど、主人公はこっちだと思う。物語も青山目線だし。ブラック企業で働いていて毎日上司にパワハラ受けながらなんとか働いている。生活も荒れて性格も俯きがちになってきている。実家は山梨でぶどうを育ていて、青山は東京で一人暮らし。

 

その日も上司にメチャ詰められて終電まで残業。

帰りの電車のホームで上司からしつこく電話がかかって来て「もう休ませて」と言って電車に飛び込もうとする所を山本(福士蒼汰)に助けられる。

山本は小学校の時の同級生を名乗るけど、青山は山本を覚えてない。

 

 

山本純(福士蒼汰)

青山を助けた謎の男。

メチャクチャ明るい関西人。

青山を助けた後、ちょいちょい呑みにいく関係になり、青山の生活に大きな変化を与える。

本人は青山の小学校の時の同級生を名乗る。

 

 

あらすじ(ネタバレ) 

仕事で詰められ電車に飛び込もうとした青山を山本が助ける。

小学校の同級生を名乗る山本と青山は親しくなり、青山は少しずつ性格が明るくなっていく。 

 

仕事も上手くいくようになり、笑うようになるものの、山本が「実は小学校の同級生じゃなかった」とカミングアウトされる。

結局、せっかく仲良くなったんだし、と言う事で友人関係は続くものの、山本の正体は不明。

 

ある日、山本の名前をネットで検索すると、パワハラで自殺した青年のニュースにたどり着く。

見ると写真も山本と同じ顔。

「山本は幽霊なのか?パワハラで苦しむ俺を救ってくれたのか?」と怪しむように。

 

山本の正体が分からないまま、日々は過ぎ、ある日獲得した大口の契約がクレームに、なってしまう。

クレーム内容は発注の間違いで、青山のミス。

青山は何度も確認したつもりだったが、送った発注書が間違っていた。

これが原因で、青山は大口の担当を外され、面倒を見てもらっていた部署で1番デキる先輩の担当に。

部長からは激ヅメされ、限界を迎えた青山は自殺を決意。

ビルの屋上から飛び降りようとするも、またも山本に止められる。

山本に家族の話をされた青山は実家に帰り両親と話す。

 

「生きてりゃなんとかなる」「辛かったら帰ってきても良い」と言う両親の優しさに触れ、青山は会社を辞めることを決意。

 

次の日、山本を喫茶店に呼び出し

「ここで待ってて。ちょっと今から仕事やめてくる」と言って会社に行き、部長に辞意を表明。

部長からは「懲戒免職にしてやる!」と恫喝されるが、怯まない青山。

「部長もどうか休んでください」

と言い残して会社を出ていく。

しかし、戻った喫茶店に青山の姿は無かった・・・

 

ネットで山本純の死亡記事を書いたブログの管理人と連絡を取り、ある孤児院で山本の正体を知る。

自殺した山本純は、青山が会っていた山本の双子の兄。

青山と会っていたのは弟の山本粋の方だった。

山本は兄の自殺を止められなかった事を悔いており、駅で見た「兄と同じ表情をしていた」青山を「自殺するんじゃないか」後をつけると案の定電車に飛び込もうしたため、慌てて止めたと言うのが山本と青山の出会いだった。

 

青山は一枚の写真を孤児院の先生から渡される。

写真は綺麗な海をバックに黒人の少年達が笑っている写真。

写真の裏には山本が青山に宛てたであろうメッセージが。

「俺の天使達や。お前も一緒に笑ってみいひんか?」

山本はバヌアツにいると言う。

山本兄弟はバヌアツで医者と先生になるのが夢で、山本は兄が居なくともその夢を果たしに行った。

青山は山本に会いに、バヌアツへ向かう。

山本と再会した青山はバヌアツで山本の手伝いをさせて欲しいと告げ、山本は「まずはボランティアからやな!」と快諾。

「最初の仕事や!」と言って青山を鬼にして少年達と鬼ごっこを始める所で物語は終了。

 

 

感想

凄い面白かったし、凄い感動した。

吉田鋼太郎が上司の部長役なんだけど、工藤阿須加をツメる時の迫力が凄い。

学生の時なら多分なんとも思わないんだろうけど、社会人になってからの「上司に逆らえない」「上司に生殺与奪の権利を握られてる」会社の中を知っているとあの演技は震え上がる。

コンビニで働いてる時の自分を重ねてしまった。

あの時、僕にも山本みたいな人出会えれば違ったのか・・・

ただ、ブラック企業の描写は若干甘い。

朝7:40に来てたけどコンビニじゃ既に遅刻だし、仕事帰りに山本と飲んでたけどコンビニは本当にそんなヒマ無かったし。

 

まぁ、それは置いておいて、ブラック企業で思考停止させながら働く青山と、なんでも楽しい事に変えてしまう山本の対比が凄く良い。

青山は山本と知り合ってどんどん明るくなっていくのだけど、多分、本来は青山も明るい性格なのだと思う。

ブラック企業と仕事のストレスによって誰でもそうなる。

多分、日本では誰でも青山になり得るんだと思う。

 

会社辞めれば?と言う山本に青山は「そんなに簡単な事じゃない」と言う。

 それに山本は「じゃあ隆にとって会社辞めることより簡単な事ってなんなん?」と言うシーンがあるんだけど、本当にそうだよね。

俺も仕事辞める時は凄い悩んだけど、仕事辞めるのは簡単なんです。

死ぬほど追い詰められてたなら、本来は自殺を考える前に辞めれば良いのは明白なのに。

 

気になったセリフがもう一個。

「将来の事とか結婚とか考えたら正社員は辞められない」という青山に

「でもお前、自殺しかけてたやん。心配する順番おかしない?」※セリフはうろ覚え

これも本当に真理ですよね。

将来の事考えて仕事辞められないけど、そのストレスで自殺するって矛盾しまくり。

でも日本ではこの矛盾が現実になってる。

本当に青山はどこにでもいると思う。

 

後半、山本が青山の自殺を止めるとき、「お前の人生はお前と、お前の事を思う人達のものだ」「子供が先に死んで辛くない親がいるなら会ってみたいわ」※セリフはうろ覚え

と言うシーンがあるのだけど、これもくる。

家族が心配して電話する描写とかもあるし、何より山本も親と兄弟を失くしてるんですよね。

だから、残された人達の気持ちが分かるから青山に怒った訳です。  

 

終盤、辞めると告げた青山に先輩が「発注書を改ざんしたのは私」とカミングアウトされる。

理由は青山が大口を取るとチームの予算が上がり、自分のノルマがよりキツくなるから。

先輩(女)「私も限界なの」「もう辞めたい」「辛い」と今まで溜めてた思いが溢れるシーンがあるんだけど、これもリアルです。

また、青山は不器用な人の役で、逆にこの先輩は器用な人の役。

でも辛いのはどっちも一緒。

誰にも言えずにずっと悩んでいたのでしょう。

この先輩も日本には沢山いると思いました。

 

1番良かったのは「希望は無くならない。見えなくなるだけ」と言うセリフ。

山本が星空の下でバヌアツの子供に言うんだけど、深い。

青山も希望は無いと思っていたのだけど、それは見えなくなっていただけ。

山本はそれをもう一度見せてあげたんですね。

僕はそう解釈したし、これも今の日本で働く人達に響いたと思います。

 

凄い良かったと思うのは、僕がブラック企業経験者だからなのでしょうか。

確かにコンビニの経験が無かったらブラック企業の描写も「ハイハイ」で済ませてたかもしれません。

経験があったからすげー動悸がしましたよ。

学生が見てもリアルに映らないと思うけど、僕らサラリーマンにとっては青山はとてもリアルで自分を重ねられて共感出来る主人公です。

キャッチフレーズ通り、働いて少しでも辛いと思うひとがいたら是非見て欲しいです!