『過去の仕事 コンビニ編90』コンビニ社員の実態 苦しめられたオーナー達12
今回の話はちょっと珍しいタイプのオーナーの話です。
普通のオーナーは生活が掛かっている為、仕事は真剣にやります。
真剣にやるからこそOFC、SVと衝突したり、喧嘩したりする訳です。
しかし、今回のオーナーはお金に余裕があり、特に売上は求めないと言うひとでした。
このタイプも逆に困るんですよね・・
仕事は分からないけど口は出したい
本業は保険屋さん
このオーナーの主な収入源は、保険屋さんでした。
元々保険屋の事業をやってて引退後も継続手数料が入って来る為、お金はかなり持っているとの話でした。
そんなひとが何故コンビニ経営を始めたのかと言うと、「昔からなんでも良いから店舗運営をしてみたかった」との事。
つまり、飲食でもオモチャ屋でも良いから運営をしてみたかったらしいです。
そこでコンビニが一番敷居が低かったのと、「一応」利益は出そうだったのが理由とか。
確かに無計画に飲食店出すよりは、儲かる確率は高いでしょう。
ただ、高齢(62、3?)だったので最初の数年はレジに立っていたらしいのですが、今は人を雇ってほぼその人に任せている状態です。
と言う訳で、店の運営には関わっていないけど、オーナーとして口は出したい、と言う人でした。
暇だから商談は毎週来る
店長はいるのですが、週次の商談は毎回参加します。
やはり、経営者としては自チェーンのトレンドや状況などを把握しておきたいのでしょう。
また、担当営業とグリップを作っておきたい、と言うのもあったのだと思います。
あとは何より暇だから。
本人の口からゴルフばっかりやってると言う言葉も出てました。
商談中は揚げ足取り専門
商談中は店長は今の店の状況を踏まえて、相談や質問をしてきます。
仕事し易く良い人でした。
ただ、オーナーはとにかく揚げ足取りが多かったです。
「この商品はこんなに売れるの?」
「それは何故?」
「チェーンとして力を入れるのは何故?」
と、何か新商品が出たら、新しい取組みが始まるたびに口を挟んできます。
僕が嫌だったのはほとんどが「それ聞いてどうするんだよ・・」と言う質問だったからです。
どのくらい売れるとかは気になって当たり前ですから普通ですが、
「同じ商品はほかのチェーンでは最高何個売れるの?」
とか、
弁当のリニューアルの際に
「なんでポテト無くなったの?売上に影響しない?」
とか
知る訳無いし、知ってどうするんですか?と言う話です。
もちろん、こっちも類似商品の過去の数字などを使い、仮説を立てて説明します。
でも調べようも無い事ははっきり言って調べません。
それでも毎回こんな感じなので、商談は本当に疲れました。
最終的には廃業?
結局、このオーナーの担当期間は短く半年程で僕が異動になり、担当から離れました。
しかし、その数年後、前の営業所から電話が掛かって来て、「そのオーナーがコンビニ辞めたい、と言ってる」と僕の後任が泣きついてきました。
聞くと、雇っていた店長が辞めて(多分、安月給でこき使ってたんでしょう)しまい、オーナーが店に出る必要が出てきた。
しかし、オーナーは自分が店に出るくらいなら手放すと言っている。
ここで問題になるのがオーナーとチェーンのフランチャイズ契約。
どのチェーンも大体10年契約で基本的にはオーナーが辞めたい、と言って辞められる物ではありません。
また、辞めようとすると多額の違約金(数百万)が掛かります。
しかし、オーナーは支払いを拒否してて揉めてるらしかったです。
とはいえ、前回も記事にしましたが「どの店担当するかは運」です。
もっといえばどの店舗をどのタイミングで担当するのも運ですから、後任には悪いですが運が無かったと諦めてもらうしか無かったです。
その後、どうなったかは知りません。
敢えて情報は入ってこないようにしてました。
多分、辞めたら耳に入ってくるはずなので、少なくともその時は辞めずに続けていたと思います。
オーナーはまだレジに立っているのでしょうか。
それほど親しく無かったで会いに行く気は無いですが、少し気になります。