世界陸上2017 ロンドンについての独り言 ウサイン・ボルトのラストラン
ちょっと副業の話を中断して今やってる世界陸上ロンドンについて書かせて下さい。
実は僕は中学、高校と陸上の短距離をやっていて未だに陸上競技の大ファンです。
ちなみに高校の時はインターハイは出れませんでしたが、県大会は突破した経験があります。
県で4位だったので結構凄いのではないかと自分では思っています。
僕の人生の唯一の自慢です。
世界陸上も楽しくて毎日遅くまで観ています。
そして、今朝4×100mリレーの決勝を観ていたので色々書かせて下さい。
ウサイン・ボルトのラストラン
ボルトの記録の価値
4×100mリレーの決勝に日本が出ていて話題になりましたが、同時に伝説の男、ウサイン・ボルトのラストランと言う点でも話題になりました。
僕はウサイン・ボルトの大ファンです。
ウサイン・ボルトの魅力は速いだけではありません。
もちろん、持ちタイムも凄いタイムです。
特に200mの19秒19。
前世界記録保持者のマイケル・ジョンソンが出した19秒32は「100年は抜かれない記録」と言われていたくらい凄い記録と言われていました。
実際、陸上をやってる人間が知らずに聞いたら19秒32は「何メートルの記録かわからない。ちょっと遅い人の150mの記録かな?」と思うくらい意味わからんくらい凄い記録でした。
これをボルトは塗り替えました。
100mは当時肉薄する記録が出ていたので、誰かが更新すると思っていましたが200mは当時のトップも全然この記録に追いついていなかったので、ボルトが19秒30で塗り替えた時は大げさでなく、「歴史が動いた!」と思いました。
100mばかり取り上げられますが、記録の価値としては200mの方が高いはずです。
でも、どちらも世界記録なので、どっちも充分凄いんですけどね。
また、世界記録を同時に3つ更新かつ3冠(100、200、リレー)とかも異常事態。
これこそ、後100年はこんな事起きないと思います。
ボルトが陸上界に貢献した事
でも、僕がボルトのファンなのはそれだけではありません。
ボルトは陸上界のイメージを大きく変えたと思います。
例えば、日本では陸上競技はマイナースポーツです。
競技人口も少ないし、何より地味。
ゲーム性がないから観てても面白くないし、専門性が高いから観てても分からない。
人気がないからプロ制度もないし、テレビでも全然取り上げられない。
多分、陸上が盛んなアメリカなどを除くと他の国も同じだったのではないかと思います。
これがボルトのおかげで変わったように思えます。
ボルトは自分がヒーローだと言う事を自覚してたと思うし、ヒーローたらんとしてたとしていたように思えます。
メディアにも積極的に出ていたし、自分に注目が集まっている事を自覚して色々なパフォーマンスで場を盛り上げる。
実際、ボルトが出てくるまでスタートの時の選手紹介はもっとつまらなかったです。
今は各々が自分のパフォーマンスを披露し、自分と国のテレビの向こうの人に知って貰おうしているように思えます。
大会も運営側が盛り上げる努力をするようになったと思います。
日本も乗っかって去年はリレー侍の抜刀ポーズが話題になりました。
あの有名な「ライトニング・ボルト」のポーズ。
ボルトはあれは狙って流行らせてましたよね。
スタジアムに行くと、子供から大人まであのポーズを皆で真似して盛り上がる。
こんな事、過去の陸上界ではありませんでした。
また、日本でも色んなCMでボルトを観ましたよね。
プーマとコラボしたシューズやauの最初のスマホとかボルトを起用して宣伝してました。
おかげで陸上を知らない人もボルトを知るようになり、陸上を知らない人も少しは陸上に興味を持ってくれるきっかけになったと思います。
過去、これだけ知名度のあった陸上選手はいないのではないでしょうか?
例えば、100mの前の世界記録保持者って知ってますか?
アサファ・パウエル、モーリス・グリーンなど日本では陸上やってる人しか知らないですよね。
でも、ウサイン・ボルトは知ってる。
名前も顔もわかるし、何より陸上選手だと知ってる。
凄いことです。
ジャマイカには「ボルト記念日」と言う祝日もあるとか。
そのくらいの人ですよね。
ウサイン・ボルト伝説の終焉
陸上競技は体力の衰えをテクニックでカバーするのが難しいスポーツです。
有り体に言うと、年齢による衰えが誤魔化しきれないスポーツです。
そしてボルトも30代。
やはり、体力も衰えてきます。
今季のボルトは春先から不調でした。
ただ、過去にも春先の不調から一転、世界大会ではしっかり仕上げ、金メダル・・なんて事もありましたので、春先の不調を観ても「ボルトなら・・」と思ってた人も多いと思います。
それでも今回はダメでした。
200mは出場見送り、100mも優勝を逃す。
100mではライトニング・ボルトを観れませんでした。
そして、今朝の4×100mリレー。
ボルトはジャマイカのアンカー。
ラストランです。
日本とジャマイカどっちを目で追えば良いか迷うくらいでした。
僕はボルトを観てました。
日本はきっと後日また放送するでしょう。
だったらボルトの最後の走りを観たかったからです。
結果、ボルトの脚にアクシデントが発生し途中棄権。
ボルトは最後まで走りきることが出来ませんでした。
ウイニングランで盛り上がる会場、日本も銅メダルを獲得し日の丸を付けて大よろこびしている横で、カメラは静かに会場を去るボルトを追っていました。
なんか本当にボルトが居なくなるんだなーと寂しくなりました。
いつもならカメラを独占し、世界中にライトニング・ボルトを披露、会場を何周も周りファンサービスをしまくるボルトが、盛り上がる会場の横で誰にも触れられる事無く去っていく。
もう寂しいを通り越して悲しかったです。
出来ればファンとしてグラウンドを稲妻のように走るボルトをずっと見ていたかったです。
もちろん、それは叶わない話。
選手生命には終わりがあるし、これまでもボルトは充分すぎるくらい頑張って、僕たちのような顔も知らないファンにまで色んな感動をくれました。
それでも世界中のファンは皆思ってると思います。
「今までありがとう。お疲れ様でした」
世界はボルトの事を忘れないと思います。
それだけの存在でした。
今後は選手では無くなったボルトをまたテレビで観れる日を楽しみにしています。