世界陸上2017ロンドンについての独り言 ジャスティンガトリンへのブーイングについて
世界陸上、終わっちゃいましたね。
4×100mリレーで銅メダルを獲得したほか、競歩でもメダル2つを獲得しました。
競歩は昔から強かったですけど、リレーは本当に近年強くなりましたね。
初めて北京オリンピックて銅メダルを獲得した時に、末續慎吾が「日本短距離界が積み上げてきたものの結果」と話してましたが、その通りですよね。
試行錯誤を繰り返して、メンバーが変わっても少しづつタイムを縮めてきた結果ですから、本当に凄い事です。
今日も世界陸上について書かせて下さい。
今回はジャスティンガトリン選手の事です。
100mを優勝したジャスティンガトリン
100mをボルトを破って優勝したのにブーイングの嵐
今回は、大きなニュースの1つにボルトのラストランがありました。
200mを出場を見合わせたボルトは100mとリレーに出場しましたが、結果はどちらも有終の美を飾ることが出来ませんでした。
リレーは昨日書いた通り、脚にアクシデントが発生したため、途中棄権。
個人の100mは3位でした。
世界陸上3位と言うのは、普通は輝かしい実績ですが、連覇を続けてきたボルトにとっては悔しい結果と言えます。
その100mを制したのがアメリカのジャスティンガトリン。
過去何度もボルトと名勝負を繰り広げて来た名実共にライバルです。
去年のオリンピックもボルトと0.01秒差の名勝負を繰り広げて来たガトリンですが、今回、ボルトとの最後の対決で見事金メダルを獲得しました。
しかし会場は大ブーイング
しかし、100mと言う陸上競技の花形種目を、しかも伝説の男を破って優勝したガトリンを待っていたのは大ブーイングでした。
ガトリンもゴールした後、流石にキレてましたね。
100mを制したヒーローに対してなぜそんな行動に観客は出たのか?
これは過去、ガトリンがドーピングで出場停止処分を食らった事があるからです。
2001年と2006年に2回、処分されており出場停止処分。
普通はそこで引退する選手が多い中、ガトリンは2010年の出場停止処分が解除されるまで折れずにトレーニングを続け、見事復活を遂げ、ボルトの最大のライバルになるまでタイムを伸ばしました。
ドーピングは悪い事。でも罪は償ったと思いませんか?
僕はガトリンも応援してました。
理由は単純にとても努力している選手だと思ったからです。
それがわかるのはまず、年齢。
現在、ガトリンは35歳です。
陸上界で35歳と言えば、日本ならマスターズと言ってもはや別枠になる年齢です。
この歳で世界の一線どころか世界陸上で優勝するなんて考えられない事です。
裏で努力を繰り返していることは明白ですし、年齢との戦いはとても難しいはず。
ボルトですら年齢には勝てなかったのですからね。
それから陸上経験者に言わせると、出場停止処分中に腐らずにトレーニングを続けて来た事。
考えてみて下さい。
出場停止処分は最初は8年でした。
8年先を見据え練習なんて普通出来ません。
モチベーションを維持出来ないからです。
よっぽどの強靭な精神力がない限り、激しいトレーニングは続きません。
しかし、世界の一線に戻るなら強度の高いトレーニングは必須です。
だから、ドーピング違反で処分された選手はその場で引退するのです。
ガトリンはやりきって復活しました。
これは本人の努力以外の何者でもないと思います。
ガトリンは罪を犯したけど、罪を償ったと思いませんか?
ドーピングはルール違反ですが、ルールに則って処分を全うし復活したのですから。
その選手が世界陸上で優勝してブーイングを受けるのはちょっと違うのではないかと。
また、批判するひとからすると、「だからなんだ?」という話かも知れませんが、ガトリンもボルトに負けず劣らずファンサービスも手を抜かない選手です。
自身よイメージ回復もあるのでしょうが、日本に来た時は地元の高校生と写真を撮ってましたね。
僕が観たのはサイコーゴールデングランプリでしたけど、ゴールした後もグラウンドを何周もして、最前列に観客も集まってきてお祭り騒ぎでした。
内心は分かりませんが、ガトリンも楽しんでいるように見えましたね。
引退の近いガトリンを応援してあげて欲しい
クリーンさはスポーツの世界では必要ですが、努力した選手が結果を出した時にブーイングするのはおかしいと思います。
ルールに則って罪を償った上、輝かしいタイムで優勝した選手にする仕打ちではないです。
心の中でモヤモヤするのは仕方ないかもですけど、あんなにおおっぴらにやるのは逆にスポーツマンシップに反していると思います。
ガトリンも引退は近いはずです。
フレデリクスのように高齢でも活躍した例はありますが、これは稀。
東京オリンピックでガトリンを観るのは多分難しいと思います。
来年はオリンピックも世界陸上もないですから、次の世界大会は2年後の世界陸上です。
ガトリンはその時、37歳。
どうなっているでしょうか。
僕はガトリンも応援しています。
次の世界陸上でもガトリンが円熟した走りを見せてくれるのを期待しています。